【2008年4月11日】
オレは吉宗ファンだからね。
吉宗将軍が紀州藩主時代、和歌山城の宿直の藩士が役目中に酒を飲んで城内の屏風を傷つけてしまった。
こんな不祥事は当時の常識では切腹モノなのだが、藩主吉宗は「今度から気をつけろよ」と口頭で注意しただけだった。
ただ、吉宗は「傷ついた屏風は修理せずにそのままにしておけ」と命じた。
これは「人間誰でも失敗するから、そんなことで切腹させたりはしないが、犯した失敗を忘れちゃダメだ」と吉宗は言いたくて「屏風はそのままに」と命じたのだ。
心ある権力者だったのだ。
吉宗が八代将軍に就任すると、紀州藩の領民は和歌山の海に向かってワーワー泣いた。
「オレたちの殿様を奪いやがって!江戸のバカヤローッ」と。
人をだいじにするから、人からだいじにされる。
当たり前のことなんだけど、その当たり前が出来ていないからおかしな事件が起こる。