【2009年7月8日】
おかき。
スーパーだとかコンビニだとかで200円程度で買える煎餅の仲間です。
比較的幅広い年齢層の方々が買います。
おやつですね、これ。
このおやつを死ぬまで好んで食べ続けたのが豊臣秀吉だった。
「ド派手・きんぴか」
秀吉に対するイメージとして真っ先に思い浮かぶものなのだが、意外にも食べ物にはこだわりが少なかった。主君・織田信長がハイレベルのグルメだったのに対し、秀吉にはそういう部分は見られない。
その秀吉が唯一好んで食べ続けたのがおかきだった。自分で焼いて作るほど好きだった。従一位になろうと、天下人になろうと、子供の頃からの好みは変わらない。根は「庶民派」なのである。
江戸時代になると、おかきを作って売るおかき屋さんが現れた。
「太閤はんはおかき好きやったからなあ」
そんな思いが近畿地方の人たちの中にはあったのかも知れない。
ある日、秀吉がおかきを作っているところに女房の寧々がやって来て話しかけた。
突然話しかけられたので秀吉の手元が狂った。
秀吉は「おまえのせいでしくじったじゃないか」と怒ると、寧々は「たかだかおかきで、子供じゃあるまいし!」と怒鳴り返した。あとはもうこの夫婦のお決まりのパターンで、お互い気の済むまで怒鳴り合いが続くのだ。「喧嘩するほど仲が良い」とはよく言ったものだ。